記念すべき第1回では、リーガロイヤルホテル大阪のレストランに勤務するCHAPPE様(フランス国籍/特定技能)よりお話を伺います。「大阪の迎賓館」とも呼ばれる老舗リーガロイヤルホテル大阪で、CHAPPE様はどの様な日々を送られているのでしょうか。

来日のきっかけを教えてください

日本の文化やアニメ、ホラー映画をきっかけに日本に興味を持ち、高校では第二外国語として日本語を選択し勉強を開始しました。ただ、日本語は難しく、高校ではあまり多く身につけることは出来ませんでした。高校卒業後にフランスの調理専門学校に進学し、在学中に旅行で初めて日本を訪れました。そこできれいな景色や安全な住環境に惹かれ、その後日本語学校の学生としての留学を決意しました。

ホテルレストランで働こうと思われたきっかけについて教えてください

日本語学校在学中、縁あってリーガロイヤル大阪のシェフを紹介頂く機会がありました。恥ずかしながら、当時の自分は大阪にどの様なホテルが存在するかも把握しておらず、リーガロイヤルホテルのブランドや特色も把握しておりませんでした。まずはアルバイトから始めさせて頂きましたが、教育がかなり厳しいなというのが率直な第一印象です(笑)。従業員のレベルが高いのは勿論のこと、外部の有名シェフを招待してのイベントが開催されるなど、流石リーガロイヤルホテルと感じる機会が多々あり、是非ここで引き続き訓練をしたいと思い入社しました。

出勤日と休日、それぞれの過ごし方を教えてください

出勤日は基本的に終日職場におりますが、意識して運動の時間を取る様にしています。敢えて電車に乗らず約1時間歩いて出退勤することもあります。休日は読書や料理、また日本人の友人と食事に行くこともよくあります。日本にはフレンチビストロも多く、京都など遠方までお店の開拓に出かけることもあります。

「外国人として働く」ことの難しさを感じられたことはありますか

アルバイトとして働き始めた当初は、平仮名が読める程度だったので、職場のマニュアルを読むのにもかなり苦労しました。当時は厨房内の外国人は自分のみで、コミュニケーションにも不安がありましたが、幸いフランス語が少し話せるシェフがおり、その方が親身にサポートしてくれました。フランスで専門知識は身につけていましたが、日本人とフランス人では味の嗜好が異なるので、この点も調整する必要がありました。例えば、日本人は軽い口あたりを好むので、メレンゲやムースなどは軽めに調整する必要がありました。今となっては古株社員の1人なので、「日本人の嗜好」を指導しなければいけない立場です(笑)。

より多くの企業が外国人の受け入れを進めるためには、どの様な工夫が必要ですか

あらゆる規則や指示事項について、「なぜそれをやる必要があるのか」をきっちり説明してあげることが大事と感じます。論理立った理由さえ説明してあげれば、納得して素直に従う方が多いと思います。また、自分もそうでしたが、「こんなに簡単なことを質問して大丈夫かな?」と戸惑ってしまうことが多いです。頻繁にコミュニケーションを取り、簡単なことでも聞いて大丈夫、という雰囲気を作ってあげることが大事と感じます。
最後に、「建前」という考え方を持たない外国人が多いことにも注意が必要です。例えばフランスでは、疲れていてあまり話したくない日は、その旨を周りの同僚に伝えます。日本ではこの様な対応を取る人は稀で、愛想が無いなどと思われそうですが、文化の違いとして前向きに捉えてあげることも必要と思います。

これからのキャリアパスについて教えてください

今では日本に友人も多くいますので、日本で長く働き続けたいと考えています。

既に日本で活躍されている方の生の声を通じ、我々が取り組むべき課題がより明確になりました。

CHAPPEさん、お時間頂きありがとうございました!