第3回では、リーガロイヤルホテル大阪勤務のSOLAMAN様(バングラデシュ国籍/特定技能)よりお話を伺います。異業種から転職されてきたSOLAMANさんは、老舗リーガロイヤルホテル大阪でどの様な日々を送られているのでしょうか。

来日のきっかけを教えてください。

私の母国バングラデシュでは、日本に対して憧れを抱いている人がたくさんいます。私も同様で、日本は安全で素晴らしい国だが、他国に比べてビザの取得が難しいとの印象でした。

そんな中、技能実習生なら比較的簡単に入国できるという話を聞きました。日本にはなかなか行けないと思っていたので、最初は詐欺かと疑いましたが(笑)、チャレンジすることに決めました。

成績以外に体力テストなどもあり大変でしたが、日本に行って経験を積みたいという強い想いがあったので、優秀な成績をおさめ日本行きの権利を勝ち取ることができました。

来日後に日本の印象は変わりましたか?

財布を失くしても次の日には出てきたり、会社の方々が親身に世話をしてくれたりと、良い印象を受けることが多かったです。

驚いたのは、友人と喧嘩をした後に絶交して話さなくなってしまったことです。バングラデシュでは、友人との親交が無くなってしまうことはなく、喧嘩をしても必ず「何が嫌だったか」を互いに話して歩み寄ります。

私はある程度日本語がうまく話せるので、外国人扱いされず、日本人と同様の対応・反応を求められることが原因なのかもしれません。

ホテルで働こうと思ったきっかけを教えてください。

コミュニケーションを取るのが好きで、多くの方と会話ができる仕事をしたいと思い、建設業界からホテル業界へ転職しました。

日本語能力が高くないとホテルの内定は取れないので、休日返上で勉強し、日本語能力試験でN2を取得しました。勤務地として大阪を選んだのは、東京と比べると都会すぎず安心感があり、また人の雰囲気や方言にあたたかみが有るからです。

自身が最も成長できそうと感じ、伝統あるリーガロイヤルホテルに応募したところ、ご縁があり入社が決まりました。立ち方まで厳しく指導されますが、日々自身の成長を感じながら過ごせております。

特定技能試験は難しかったですか?

難しかったです。私は2021年に受験しましたが、当時の合格率は3割強で、情報が少なく対策用テキストも準備されていませんでした。手探りで、You Tubeなどを用いて業務内容を勉強しました。

知識を問う設問だけでなく接客対応のテストもあるのですが、私は笑顔が得意なこともあり(笑)、結果的に余裕をもって合格することができました。

1日の仕事の流れを教えてください。

入社後の3か月はベルボーイとして、基本は日中勤務でした。朝10時出勤が多かったのですが、出勤直後にチェックアウトのピークがくるので、しばらくは忙しい時間が続きます。チェックアウトがひと段落した後の打ち合わせでは、前日に発生した事例の共有を行うことで、サービス品質の向上に繋げます。

しばらくするとチェックインが始まり、荷物の預かりや宅配物の対応をします。私は同僚が重い物を持っていると思わず手伝ってしまうので、余計に忙しいのかもしれません(笑) 入社が年末だったので、入社直後から忘年会対応など慌ただしい日々が続きましたが、その分最初から多くのことを学ぶことができました。

今はフロント対応業務も開始し、夜のシフトにも入り始めています。新しい業務なので、休憩時間中にもメモを読み返し、少しでも早く仕事を覚えられる様心がけています。

休日の過ごし方を教えてください。

休日は友人との外出・食事や、業務の復習、言語の勉強をすることが多いです。

リーガロイヤルホテルでは、英語と日本語の講習が準備されており、計画的に勉強を続けることができます。日本語講習は基本的には外国人のみが対象で、尊敬語や謙譲語について学ぶことができます。宿題やレポート提出があるので気を抜けません。今は韓国人観光客が多いので、独学で韓国語の勉強も始める予定です。

日によっては、イスラムモスクにお祈りに行っています。

イスラム教の方々は仕事との両立が大変ですね。「外国人として働く」ことの難しさを感じられたことはありますか?

来日前に日本での働き方を学んできたので、あまり苦労することはありませんが、「分からないときに分からないと伝える」ことができない外国人は案外多いと感じます。

日本人は、本当に外国人従業員が理解しているか、フォローしてあげることが重要です。宗教的な面でも、礼拝日である金曜日には休みを取らせて貰えるので、あまり困ることはないです。

より多くの企業が外国人の受け入れを進めるためには、どの様な工夫が必要ですか?

イスラム教徒について話すと、礼拝日に柔軟に休める様にするだけで、選ばれる会社になると感じます。母国では規則通りお祈りしていない人も、いざ海外に来ると、お祈りをしないと不安になる様です(笑) 会社の中や近くに礼拝所があるとより安心です。

イスラム教徒以外でも、旧正月など各国異なる風習があるので、それに合わせて柔軟に休みを取れると良いのではと感じます。

あと、ホテルのマネジメント層は丁寧すぎる事があるので、間違ったときには間違っているとはっきりと注意しないと、外国人には伝わらない可能性があります。

これからのキャリアパスについて教えてください。

特定技能2号資格の取得も視野に入れながら、長く働き続けたいと考えています。

勤務地を変えながらもキャリアを追求されるSolamanさんのお話は、多くの日本人にとっても参考になるのではと感じました。

Solamanさん、貴重なお話をありがとうございました!